トップに少しずつ書いている文章です。
ここには日付順で21個目〜30個目まであります。
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Nonaggression Area [2004.12.23-2005.02.09]

さあ 出かけよう
暗いクライ夢の中へ
理解不能な不思議の国へ

入り口なんか探す事無い
君の真後ろ その虚ろ
捩じれた月影その中で
迷い踊る 血の花押

勇気を一つ さぁ、踏み込んで

踏み込む先に足場など無く
落ち続けるは空の上
ただ浮遊感に身を任せるだけ
責任は君一人のもの

道に迷えばたどり着く
不思議の国の奥深く
帰ることは決して叶わず
時間の壊れた輪の中で

未来永劫 さぁ、ご一緒に

逃れられない闇の底
踊り狂うは君自身
止める術など知る者は無し
責任は君が背負って

闇に堕ちる光の筋には
腐敗の粒子が纏いつき
とろみを帯びた微風を受けて
舞い沈むのは君の残像

永久落下 さぁ、身を委ねて

銀貨一枚片道切符
落下し沈むは君一人
助けを乞うても傍観者ばかり
責任なんか誰も持たない

それこそ君の不可侵領域

夏の空/冬の空 [2004.12.20-22]

八月と呼ぶにふさわしい青空。
その裏側には
ただただ広がる、蒼い闇

闇の奥は
誰も知らない、冬の空

月の色 [2004.12.16-12.19]

あかいあかい、満月は。
私に血を求めさせる。
くろいくろい、満月は。
私に死を求めさせる。

それなら赤い満月の日には。
血ではなく知を。
黒い満月の日には。
死ではなく詩を。

そうして、黄色い満月の日に。
私は全てを手に入れよう。

その色が望むもの [2004.12.10-12.15]

真白の服に身を包み
願うは一つ。夜の闇。
白を追い出す、その黒を。

黒の服を身に纏い
願うは一つ。朝の影
黒を消し去る、その白を。

真紅の服で身を包む
私の願いは――

ある物語 [2004.11.21-12.09]

荊の中を狂ったように踊り行く
「神の怒り」の証のように
血は絶え間なく流れ落ち 涙も声も枯れ果てて
どんなに悔いて許しを乞うても その瞬間は訪れず

ステップを踏み 狂いながら 悔いて叫ぶは懺悔の言葉
巧みに繰られた人形のように 朝昼深夜構うことなく
終わる事無い輪舞を舞って

美しかったあの靴からは 当時の面影消えうせて
傷む身体に荊の冠戴いて 果てなく続く無慈悲の輪舞
踊れ踊れと囁き急かすその声は
天使の声した悪魔のよう

優雅に続く拷問の 許しの代価は足二本
激痛伴うその償いは 一時の安息 生涯の枷
犯した罪はそれであっても 許される事決して無く
春夏秋冬 身軽になった輪舞は続く 続くつづく 朽ちるまで

語り伝える神の無慈悲
悔い改める心も聞かず
傾く天秤 直すことなく
一時の迷いに 生涯の償いを

じゅもん [2004.11.19-11.20]

だいじょうぶ、大丈夫。
君がそばにいてくれるなら
私はわたしでいられるよ。

箱の中の匣のように [2004.11.11-11.18]

望むは我等のルネサンスと 谷底からの神の声
耳を塞ぐも響く宣旨は 濁った色で付き纏う
運命という筋書きの元で 演じられる人形劇

神々の作り給いし その人形は
神を気取って 世界を作る
伝承 宗教 法律 社会
演劇 戯曲 舞踊 芸術
我等の造りし虚構は果てず
ミニチュアの町はさらに小さく

神を気取った世界の果ては
いつしか還る 白と黒の渦中へと

夕焼けに翻るさび [2004.11.06-11.10]

遠くに流れる 空の色は
さびた鉄の色のよう

あかいあかい夕焼けに
一人佇むその姿
長い金色背に流し 何かを望む歌ひとつ

翻るのは 白磁の布地
流れるものは さびたにおいを纏う赤。

そらのうら。 [2004.11.01-11.05]

真っ青な空の裏側には
何があるのかと尋ねた事がある。

返ってきたのは声無き苦笑いと
頭をなでる大きな手。
そして答えはこんな感じ

真っ青な空の向こうには
誰も知らない白痴の古城
無人の城が佇むそれだけ

甘い純白 [2004.10.29-10.31]

錆びた月光身に浴びて 翻すのは真白のドレス
ほんのり甘いその色は
狂気の空へ昇るため もぎり取られた翼のように
とてもとても軽やかに
私を誘い、甘く酔わせる